甲状腺機能低下症

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甲状腺ホルモンが不足することで発症する病気を甲状腺機能低下症といいます。

先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の場合は、治療が行われていないと精神運動発達遅延を起こしてしまいますが、最近では、「新生児マススクリーニング」によってほとんどの症例を発見することができます。

後天性甲状腺機能低下症は小児期に発症するもので、自己免疫性甲状腺炎がほとんどです。
甲状腺ホルモンは、全身の細胞に働き、エネルギー代謝や成長発育を促進するものですので、成長には不可欠となります。これが低下することで、発症年齢から突然身長が伸びなくなるので、異変に気づきやすい疾患です。

症状

甲状腺の低下により、全身の代謝が低下します。それにともない体のさまざまな機能が低下していきます。

例えば、消化管運動が低下すれば便秘になりますし、精神機能の低下は眠気や記憶障害、抑うつ症状や無気力を引き起こし、心臓機能が低下すれば脈が遅くなります。他にも、皮膚の乾燥や脱毛、むくみ、声のかすれ、体重増加、寒気、疲労感などもありますので、軽度の場合は特に、どの症状も明白な決め手となりづらく、長い間、治療が遅れる場合もあります。

甲状腺機能低下の原因

  • 甲状腺そのものが原因

    「原発性甲状腺機能低下症」といいます。主に、甲状腺そのものが破壊された病気となります。一般的によく見られるのが、こちらのタイプです。

  • 脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)不足により甲状腺が低下

    「中枢性甲状腺機能低下症」といいます。甲状腺刺激ホルモン(TSH)の減少や、視床下部から分泌されてTSHを刺激する甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の減少により生じます。これらのケースは、まれなタイプです。

治療の種類

まず、治療を始める前に「一過性の甲状腺機能低下症」「永続性の甲状腺機能低下症」どちらなのかを判断する必要があります。

 

一過性甲状腺機能低下症の場合

症状が強い場合は数か月の間、合成T3製剤(チロナミン®)を内服。患者様の血清が正常化されると中止します。

ヨウ素の過剰摂取による甲状腺機能低下症をおこしている場合も、ヨウ素の摂取制限をすることで甲状腺機能回復となることもあります。

出産後に甲状腺機能の異常が生じる「出産後自己免疫性甲状腺症候群」を含める無痛性甲状腺炎や、亜急性甲状腺炎の回復期にある患者さまに、程度の違う甲状腺機能低下症を示す場合がありますが、こちらは甲状腺機能低下症の治療は必要がないとみられています。

 

永続的甲状腺機能低下症の場合

合成T4製剤(チラーヂン®)服用での治療を行います。内服治療は少量から開始され、維持量に至るまで数か月かけて徐々に増やしていきます。

治療を開始するにあたって最も注意を払うべきケースは、狭心症などの虚血性心疾患を合併されている場合です。この場合は、治療開始時に、狭心症の頻発や心筋梗塞を引き起こす可能性があります。